Windows Server 2025 / 仮想実習環境とIPアドレスを設計する

Windows Serverの実習は、家庭や会社のLANから隔離した仮想ネットワークで始めます。最初に名前とIPアドレスを決めておくと、後のDNS、DHCP、Active Directoryの問題を切り分けやすくなります。

ホストとゲストを区別する

仮想化ソフトを動かす実機がホスト、その上で動くWindows Serverがゲストです。ゲストのIPを変えるつもりでホストのネットワークを変更すると、管理用PC自身の通信が切れることがあります。VM名とゲスト内のコンピューター名も別に管理します。

ホストのOSエディション、仮想化支援機能、メモリ、空き容量を確認します。Microsoftのハードウェア要件は導入可能性の確認に使い、複数VMが快適に動く容量は別に見積もります。

DHCPを外へ流さない構成にする

ブリッジ接続や外部スイッチは実ネットワークとつながるため、未設定のDHCP実習には向きません。Hyper-Vならホストとの通信が必要なときは内部スイッチ、VM間だけならプライベートスイッチを検討します。製品ごとに名称が違う点にも注意します。

この講座は172.24.50.0/24を例にします。VPNや既存ネットワークと重なる場合は、実習全体で別の範囲へ統一します。インターネットが必要ならNATやルーターを明示的に設計し、存在しないゲートウェイを適当に入力しないでください。

名前とアドレスの割り当てを記録する

対象 IPv4 DNSの考え方
DC1 172.24.50.10 DNSを導入後、AD用DNSを使用
DC2 172.24.50.11 昇格前にDC1を指定
FS1 172.24.50.20 AD用DNSを指定
CLIENT1 固定で開始し、後でDHCP AD用DNSを指定

ドメイン名はad.example.test、NetBIOS名はADを例にします。他人の実在ドメインを借用しません。DNSサーバー欄をDC1に向けても、DC1側にDNSサービスとゾーンがない段階では名前解決はできません。

必要な資源を段階的に確保する

小規模なGUI実習では、VM当たり2仮想CPU、4GBメモリ、容量可変の60GBディスクなどから負荷を見て調整できます。これは本講座の出発点で、すべての役割に共通するMicrosoftの推奨値ではありません。

同時に起動するVMのメモリに加え、ホスト自身の余裕を確保します。可変ディスクも実データが増えるとホストの空き容量を消費します。データ用ディスクとバックアップ先を区別し、元のホストが壊れても戻せる保存先を検討してください。

変更と復旧の記録を残す

VM名、エディション、インストール方法、IP、DNS、仮想スイッチ、管理者名を記録します。平文パスワードを手順書へ残す必要はありません。重要な変更の前に現在値を控え、再起動後も接続できるか確認します。

チェックポイントから戻したVMを実ネットワークへ不用意に接続すると、重複IPやDHCPの競合が起こり得ます。特にドメインコントローラーの復旧は通常のVMと同一視せず、ADに対応するバックアップ・復旧方法を使います。